2016年11月29日火曜日

11月29日 ブラックバイトめぐり逮捕 元従業員、学生に暴行容疑から考える事

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

11月29日  ブラックバイトめぐり逮捕 元従業員、学生に暴行容疑から考える事

11月29日火曜日。今日は、ブラックバイトの記事から労務管理を考えてみたいと思います。今回は記事を2つ掲載したいと思います。

※産経新聞より引用
「ブラックバイト」めぐり逮捕 元従業員、学生に暴行容疑 「しゃぶしゃぶ温野菜」FC
産経新聞2016.11.28 13:54

 大手飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイズ(FC)店で、アルバイトの男子大学生の顔を殴ったなどとして、千葉県警船橋東署は28日、暴行の疑いで、先輩格の元従業員で自称、派遣社員、冨山良次容疑者(53)=同県印西市=を逮捕した。

 男子学生は冨山容疑者らから繰り返し暴行暴言を受け、過酷な労働を強いられていたと主張し、店舗を運営していた会社側に慰謝料などを求め千葉地裁で係争中労働組合「ブラックバイトユニオン」によると、過酷な労働を強いられる「ブラックバイト」を巡る逮捕は異例という。

逮捕容疑は昨年8月8日午後、同県船橋市の店でアルバイトをしていた大学3年の男子学生(21)の左足を蹴り、翌9日午後には顔を殴った疑い。

 冨山容疑者は調べに容疑を認め「勤務態度がひどかった」と供述しているという。男子学生はブラックバイトユニオンを通じて「誠実に取り調べに応じてもらいたい」とコメントした。
※引用終わり。

※弁護士ドットコムより引用
「ブラックバイト」初の裁判、学生「人生を大きく狂わされた」と訴える
2016年9月14日 12時12分 弁護士ドットコム
飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」のフランチャイズ店舗でアルバイトしていた男子大学生(21)が、パワハラや脅しにより、4カ月無給で働かされたなどとして、店舗の運営会社「DWE Japan」を相手取って、慰謝料未払い残業代など約800万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9月14日、千葉地裁であった。原告側によると、ブラックバイトでの裁判は初めて。男子学生は意見陳述で「人生を大きく狂わされました」と話した。

訴状によると、学生は2014年5月にアルバイト採用された。10月頃から長時間労働を求められ、2015年4月からは122日間連続で働かされたという。退職を申し出ると、暴言や暴力を振るわれたといい、大学の実習や試験を受けられず、2015年前期の単位をすべて落してしまった。店長夫婦には首を絞められたり、包丁で肩を刺されたりしたこともあるといい、男子学生は千葉県警に告訴状も提出している。

●裁判で双方が意見陳述
裁判では男子学生の意見陳述があり、男子学生は、店長夫婦からの暴力が恐ろしく、「何をされても言う通りにしないといけないとしか思えなかった」と語った。成績の関係で希望のゼミに入れず、留年の可能性もあることから、「(実家に経済的な余裕がなく)留年したら退学するしかない。将来の夢が閉ざされてしまう。人生が終わったと思った」と当時の絶望感を振り返った。

一方、DWEの川井直社長は法廷で、「本当に申し訳なく思っています」と謝罪。未払い賃金など、約150万円についてはただちに支払う用意があり、「早急に解決したい」と話した。川井社長は裁判後、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「払うべきものはしっかり払うべきと思っている。ただし、暴力など確認できていない部分もあるため、慰謝料の金額については、原告側の主張を精査したい」と語った。

男子学生は、現時点での和解を否定している。裁判で自身の労働実態などが明確に認定されることを望んでおり、「このまま判決まで持っていけるようにしたいと思っています」と話している。
(弁護士ドットコムニュース)
※引用終わり。

最近、新聞記事では多いユニオン(一人で入れる労働組合)が絡んだ事例で、典型的なパワハラ(しかも身体的暴力を伴う)の事件です。労働者側から見れば、「けしからん!」と言う見解だと思います。会社側から見ても、確かに「けしからん!」と思います。しかし、この事例から会社側の立場から見ても、学ぶべきことはあると思います。

この記事をもとに、ブラックバイトユニオンのブログも読みましたが、会社側管理職(今回は元店長夫婦)の暴言・暴力、自腹購入、長時間労働等について、具体的に動画の添付や数多くの記述がされています。新聞で書かれてる事は、非常に断片的かつ一部であり、今回のブラックバイトユニオンのブログも「労働者側」の記述等のみです。

ユニオンのブログや記事等を読んで見ると、団体交渉3回行った後、会社側拒否地方労働委員会へ救済申し立て→団体交渉決裂の陰で、労働者へ社長自ら直談判で和解交渉→決裂、刑事告訴、民事訴訟の流れが見受けられます。訴訟においても、記事には載っていない会社側社長さんの「お粗末な陳述」がネット等で晒されています。

正直、労働者側の「言い分」だけを読むと、非常にひどい会社だと思います。一部の飲食業の社長さんでは「典型」の、会社の経営者が脳みそ筋肉系に思えてなりません。。。個人的には、店長自身が、本部へ報告・連絡・相談を怠った(出来ない環境だった?)のと、会社として真摯かつ誠意ある早期対応が出来なかったからと推測します。

なお今回の記事で逮捕されたのは、実は「店長の夫」のようです。そして、妻である店長自身も、度重なるパワハラ(暴言・暴行)をしていたとユニオンのブログに記載されています。このような悲劇を民事訴訟・刑事告訴・逮捕に至った件は、会社側として反面教師として学ぶべき点は多いと思います。

以上のような一連の流れを読むと、つくづく多店舗展開している飲食業においては、現場最前線である店長・支配人への採用・労務管理・最低限必要な労働法の教育が必要であると実感しました。そして経営者自身が「労働者は財産である」という考えを理解しているか否かが重要であると思えてなりません。

ある意味、この事件の店長夫婦に関しても、いわゆる慢性的な人手不足売上ノルマ(目標)に苦しんだ挙句のパワハラに思えてなりません。

「ウチは関係ない」「飲食業は特別だから仕方がない」と言う考えは、もう通用しないと私は思います。早急に採用・労務管理の見直しについて、私を含む社会保険労務士に相談していただければ幸いです。



※写真は今日の夕食で、自家製牛丼と野菜スープ等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。









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