2016年11月11日金曜日

11月11日 残業「大半の社員が過少申告」電通を書類送検の記事から考える事

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。


11月11日 残業「大半の社員が過少申告」電通を書類送検の記事から考える事

11月11日金曜日。電通関連の記事が続きますが、重要な内容なので書きたいと思います。

残業「大半の社員が過少申告」 電通を書類送検へ
日本経済新聞2016/11/7 12:33 (2016/11/7 13:24更新)
 厚生労働省は7日、広告大手、電通の強制捜査に着手した。度重なる是正勧告にもかかわらず、深夜に及ぶ残業が常態化昨年には新入社員が過労自殺した。残業時間少なく申告するのは当たり前だった」と証言する社員もおり、同省は押収した資料を分析し、同社を書類送検する方針。

 7日午前、東京労働局の職員数十人が2列に並び、東京都港区の電通東京本社に続々と入り、家宅捜索が始まった。

 「残業時間の規制を超えないよう上司に注意されてきたし、ほとんどの人が実際より少なく申請してきた」。同社社員からは会社の体質を問題視する声が上がる。

 電通は10月の立ち入り調査後、全館の照明を午後10時に消すなどの改善策を実施。ある部署は上司が1~9月の正しい残業時間を改めて提出するよう指示したという。

 30代の男性社員は「取り繕うような対応ばかりで、社員が自殺した事実に正面から向き合っていない」と会社への不信感を隠さない。

 電通はこれまでも過重労働問題が明るみになったことを受け、対応をとってきたはずだった。
 1991年には男性社員(当時24)が過労が原因で自殺。遺族が提訴し、最高裁が会社側の責任を認めた。2013年に病気で亡くなった男性社員については三田労働基準監督署が今年、長時間労働による過労死と認めて労災認定をした。

 14年には関西支社(大阪市)、15年には東京本社に対し、労使協定で定めた残業時間の上限を超える違法な長時間労働を社員にさせたとして、地元労基署がそれぞれ是正勧告。一方で当時新入社員だった高橋まつりさん(当時24)は昨年12月に自殺し、三田労基署が今年9月に労災認定した。

 電通は是正勧告後、有給休暇の取得促進などに取り組んだとしているが、高橋さんの昨年10月9日~同11月7日の残業時間は約105時間に及んだとされる。

※引用終わり。

この記事によると、いわゆる非常に「けしからん」と思われる方が多いと思います。記事から電通だけを取り上げると、過重労働による死亡は、今回で実に3回目であり、従業員が過労死しても正直改善されていないと言わざるを得ないと思います。

電通の場合、行政等に対しては、「表向き」労務管理改善の体裁を整えているに過ぎないと私は思います。いわゆる「形だけ」三六協定を届出し、表向き労働時間記録書類では、「問題ない」かのように記録を作っているように思えてなりません。。。

私の過去の労働相談経験上、典型的な事例で言うと、下記のような事を会社がしていると相談を労働者側から何度か受けたことがあります。

・タイムカードを、自分で打刻するのではなく、会社の事務・総務の人定時で打刻する。
・労働時間記録簿を定時出勤退勤で書かせられる。
・残業時間について、部署ごと上限時間を定める。(例:上期・課全体で残業上限120時間と定め、均等で一人1月10時間分しか与えない残業時間にする。なお残業120時間分しか、残業手当は支払わない。)

特に残業上限時間設定の場合、部署全体で連帯責任」を負わせ、従業員個人から正確な残業時間申告をさせないと言う巧妙な方法も見受けられます。

なお会社側タイムカード・時間記入出勤簿で体裁を整えたりしても、今回の電通における過労死のように、Twitter等SNSの書き込み時間及び記録や・Eメールの送信時間・日報の時間記録・手帳への労働時間記録・パソコンのログ記録など労働者側から反論する書面証拠等があった場合は、会社側不利になると私は思います。

ネット社会の現在、会社側から厳密な社外秘にすべく「かん口令」を引いても、今後は意味が無いと私は思います。残業時間の過少申告も実際多いと思われますが、速やかに行わないことを強くお勧めします。

今後は、管理職への労働時間管理教育・業務の見直しや配置転換・労働時間の早番・遅番制や交代制導入・ノー残業デー導入等出来る所から、残業時間削減行動することをお勧めします。なお詳細については、私を含む社会保険労務士に相談して頂ければ幸いです。



※写真は今日の夕食で、メジナの刺身・シェパードパイ・煮豚・鯨の大和煮・レンコンの天ぷら等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。









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