2018年1月16日火曜日

1月16日 振袖販売・レンタル会社「はれのひ」から、企業の経営・労務管理について考える

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 
1月16日 振袖販売・レンタル会社「はれのひ」から、企業の経営・労務管理について考える

1月16日火曜日。今日は、最近テレビのワイドショー番組やネット記事で話題になってる振袖販売・レンタル会社「はれのひ」について書きたいと思います。

※産経新聞より引用

被害相談560件以上、契約額ベースで1.8億円 賃金未払い是正勧告5回
産経新聞2018.1.12 08:34
 振り袖販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市)が突然休業し、成人式に晴れ着を着られない新成人が続出した問題で、横浜市などの自治体や警察に寄せられた被害相談は、11日までに計560件以上、契約額ベースで計約1億8400万円となることが分かった。横浜南労働基準監督署が昨年8~12月、同社に対し、従業員への賃金未払い計5回是正勧告していたことも判明した。

 はれのひは「1月になれば収入が増加する見込みだ」と労基署に説明していたが、1年以上前から賃金の支払いが遅れていたとの情報もある。

 相談は神奈川県が多く、横浜市消費生活総合センターには289件寄せられ、契約額は計約9200万円。横須賀市は41件(契約額計約1270万円)、相模原市は24件(計約740万円)、川崎市は18件(計約630万円)。

 東京都八王子市の消費生活センターには152件(計約5060万円)あった。千葉県警にも45件(計約1500万円)の相談が寄せられた。

 相談は成人式に晴れ着が届かなかったという内容だけでなく、来年、再来年の成人式や大学の卒業式向けに関するものもあった。分割払いの停止や返金を希望する相談者もいた。

関係者によると、はれのひの従業員30人に対する昨年11月分の賃金が、12月の所定日に全額支払われていないことが確認された。未払い額計約460万円で、労基署が12月26日付で是正勧告していた。8月からの賃金支払いも一部だけで、未払い額はさらに膨らむとみられる。

 東京商工リサーチによると、はれのひの負債総額は平成28年9月期時点で約6億1千万円。同期末で約3億2千万円の債務超過に陥っていた。

【用語解説】労基署の是正勧告
 労働基準監督署の監督官が関係書類の提出を求めたり、使用者や労働者から事情を聴いたりして、時間外労働への割増賃金の不払いや定期健康診断の未実施など、労働法令違反の事実を確認した場合に改善を促す行政指導の一つ。法的拘束力はないが、繰り返し違反が見つかったり悪質と判断されたりすれば、刑事事件として書類送検されることもある。
※引用終わり。

最近、成人式の振袖をめぐるトラブルで大きく話題になった振り袖販売・レンタル業「はれのひ」ですが、従業員への賃金についても、未払いをしていたようです。ワイドショーで話題になり出した時は静観していましたが、記事の通り「賃金未払い」を繰り返し、労働基準監督署から是正勧告5回受けていた事実から、仕事柄「反面教師」にすべき事例だと思いました。

現在、「はれのひ」社長さんは、このような事態の定番である「雲隠れ」していらっしゃるようです。皮肉なことに、私自身、過去似たような「計画倒産?」と推測してしまう事例を大手社労士事務所補助員時代に経験したことがあります。

今回の事例を追いかけていくと、過去私が複数目の当たりにした「事業拡大系経営者典型失敗事例」に思えてなりません。いわゆる、流行・ブーム等で儲かる→大きな目標・夢を抱き拡大路線に奔走→店舗拡大→人を多く雇うが、教育がしっかりできない→サービス・質の低下→リピーター(繰り返し顧客)が出来ず、売上減少・利益減少→人件費増大による赤字拡大→会社が傾き、資金繰りが厳しくなり、賃金未払いが発生→会社の倒産と言う図式に私は思えてしまいます。。。

今回の事例を含め、衰退する中小企業の共通点として、社労士から見て下記の共通点があります。

・売上が上がると、すぐに店舗を増やし、多角化事業拡大し、新規採用を増やす。
・新規採用者が多い反面、即戦力を求め、ちゃんと教育しない為、すぐ退職するため従業員が定着しない。結局売上が下がり、人件費が多大に発生し、赤字になる。
即戦力ばかり求めて社内教育せず、定着しないため入退社が激しく、「人材の自転車操業」を繰り返している。
・採用した従業員に完璧を求め、促成栽培的な教育をした挙句、従業員が壊れて辞める。

慢性化した人手不足の現在、事業拡大より事業継続が大事では?と思うこの頃です。企業には、それぞれ適正規模があると思います。企業規模が大きいから「良い」とは限らないと私は思っています。今後は、自らの企業の「適正規模」を見極め、事業拡大より適正規模黒字での事業継続に重点を置くのが良いのでは?と今回の記事を読んで改めて実感しました。


※写真は、今日の夕食で鰯のつみれ鍋と鶏肉のハーブ焼でした。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。







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