2016年12月27日火曜日

12月27日 エイベックス松浦氏の是正勧告に対するコメントから、労務管理の必要性を考える

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

12月27日 エイベックス松浦氏の是正勧告に対するコメントから、労務管理の必要性を考える

12月27日火曜日。今日は、華やかな業界の経営者の発言から、労務管理について考えたいと思います。

※キャリコネより引用

エイベックス松浦氏が労基署の是正勧告を受けコメント 「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」
2016年12月22日 15時40分    キャリコネ
エイベックス・グループ・ホールディングスが、社員に違法な長時間労働をさせていたとして、12月9日に三田労働基準監督署から是正勧告を受けた。これを受けて、同社の代表取締役社長の松浦勝人氏が22日、自身のブログで労働基準法についての持論を展開した。

毎日新聞の報道によると、同社は三田労基署から、社員の実労働時間を管理していない、長時間残業をさせている、残業代を適正に支払っていないなどと指摘され、9日付けで是正勧告を受けた。

「僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い」
これを受け、松浦氏は22日に自身のブログを更新。「労働基準法 是正勧告とは」と題された記事で、持論を展開した。

松浦氏は、是正勧告を「真摯に受け止め対応はしている」としながらも、「労働基準監督署は昔の法律のまま、今の働き方を無視する様な取り締まりを行っていると言わざるを得ない」と反論する。

2015年に労働基準監督署が指導した8500の事業場のうち、「75%以上が何かしらの違反とみなされている状況」を挙げ、「そもそも法律現状と全く合っていないのではないか」と指摘。また音楽業界では、「好きで働いている人が多い」のだから、長時間労働を抑制するのはいかがなものなのかと苦言を呈している。

僕らの仕事は自己実現や社会貢献みたいな目標を持って好きで働いている人が多い。
(長時間労働を抑制すると)自分の夢を持ってその業界に好きで入った人たちは好きで働いているのに仕事を切り上げて帰らなければならないようなことになる。
好きで仕事をやっている人は仕事と遊びの境目なんてない。僕らの業界はそういう人の『夢中』から世の中を感動させるものが生まれる

音楽業界などで働く人々は夢を持って、好きで働いているのだから、好きでしている長時間労働を抑制しないでほしいというのだ。

そして改めて「時代に合わない労基法なんて早く改正してほしい」と、労働環境の改善ではなく、労働基準法の改定の方を主張している。

エンタメ業界全体の労働環境が改善される日は来るのか、今回同社が労働是正勧告を受けたことに関して、ネットでは、「労基はどんどんあぶり出していってほしい」「ユニクロ、電通に続きエイベックスも労基調査入りか。こうやって大手からどんどんブラック企業がなくなればいいのに。」と労基署の対応を支持する声が出ていた。

ただ一部からは「エンタメ業界は労基法を守っていたら成り立たない」という声も。エイベックスだけに留まらない、業界全体の問題もあるのだろう。いずれにしても、「世の中を感動させるもの」を生み出す人々が快適に働けるようになるになるためには、まだ時間が掛かるのかもしれない。

※引用終わり。

私は、主に会社側の相談が多い社会保険労務士ですが、この有名企業経営者の発言に対し、正直呆れています。また、「有名企業の割に、ちゃんと労務管理しているのか?」「社長がお粗末なコメントをする前に、人事部は何をしているのか?」と思えてなりません。

私自身、この記事の経営者の様な、「自分の業界は特別で、法律が合っていない。法律を変えるべきだ。」的な発言は、今まで何度か聞いたことがあります。過去、ある飲食業の社長が、「飲食業が特別だ」と私に言ったことがあります。この経営者の方も、「音楽産業は、特別だ」と言いたいんだと私は解釈しています。

しかし、音楽産業はもちろん、飲食業・運送業・医療業界・介護業界・警備業・農業等あらゆる業界それぞれ「特別」だと思います。「特別」だから労働基準法を守らなくて良いと言うのは、経営者として本末転倒だと私は思います。

なお今回のような音楽業界の場合、現状の労働基準法でも、専門業務の裁量労働制、企画業務型の裁量労働制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制、特別条項付き36 協定等対処できる措置はあったと思います。

しかも、労働時間管理・残業時間抑制労務管理改善を図ったうえでの発言には、私は思えません。経営者の考え方が、労務管理改善をする旨具体的に述べてないことは、今後の「採用」においても、新卒・中途共に敬遠される可能性があると思います。

少子高齢化・ネット社会の現在、労務管理杜撰だと、求人しても集まらない状況に陥りやすいのが現状であると思います。今後は、自分の業界は「特別」だから、労働基準法は守れないという考えを改め、出来る事から労務管理改善すべく行動することをおススメします。

なお具体的な対処法は、会社の規模・業種・状況によって大きく異なるので、私を含む社会保険労務士に相談していただければ幸いです。

※写真は今日の夕食で、自家製豆カレー等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。









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