2017年9月10日日曜日

9月10日 南海バス運賃箱操作、260万円着服 運転手5人を解雇から学ぶこと

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 
9月10日 南海バス運賃箱操作、260万円着服 運転手5人を解雇から学ぶこと

9月10日日曜日。今日は、着服に関する気になる記事がありました。

※毎日新聞より引用
南海バス 運賃箱操作、260万円着服 運転手5人を解雇
毎日新聞2017年8月31日 13時10分(最終更新 8月31日 15時19分)

 路線バスを運行中、運賃箱の投入口から計約260万円着服したとして、南海バス(堺市)が今月、44~58歳の男性運転手5人を懲戒解雇したことが分かった。同社は、現金で支払った乗客の人数や乗降場所を把握していないため、乗客から指摘があるまで着服に気付かなかったという。

<高速バス運転中にスマホ 運転手を懲戒解雇>
 同社によると、5人は堺市や大阪府和泉市の計3カ所の営業所に所属。運転席脇の運賃箱に乗客が硬貨を入れる際、運賃箱を操作して、硬貨や整理券が下に落ちないようにする機能を使い、降車後にためた硬貨を抜き取っていた。

 着服額は、2014年9月から行っていた運転手が約160万円で最も多く、1人は今月から始めて約5000円だった。5人とも着服を認めているという。

 乗客から今月13日、「運転手が不審な動きをしている」という趣旨の通報があり、ドライブレコーダーの映像で不正を確認した。同社は、5人が弁済したり、弁済の意思を示したりしたとして、告訴はしない方針。【根本毅】

※引用終わり。

バスの運転手等現金を扱う業務を従業員に任せた場合、記事のような着服・横領事件は時々見かけます。私自身、社労士業務においても、着服・横領に関する相談対応を何度か受けたことがあります。

なお私自身、15年以上前のサラリーマン時代、着任した営業所の前任者が「似たような事」をしている事例を目の当たりにしました。当時の私は法的な知識も乏しく、「直属の上司」に報告したものの、当事者を調査した形跡もなく、「ウヤムヤ」に終わったのを未だに覚えています。。。

今振り返ると、営業など現場系の中間管理職・出先の支店長・営業所長等は、労務管理の知識に乏しく、自己保身に走る傾向が強いので、着服・横領等の対応には向いていないように思えます。この場合は直接、本社人事及び中小企業の場合は経営者報告・相談せざるを得ないと私は思います。

記事のような事件は、過去の判例にもあります。似たような判例では、ワンマンバス料金3800円の着服行為について懲戒解雇有効とした川中島バス事件(平成7年3月23日長野地裁判決、労働判例678号) があります。

このような事を防ぐには、今後どうしたらいいのでしょうか?私は、下記の対処が必要だと思います。

就業規則における、懲戒規程の確認・見直し。
・バスの運転手や経理等お金を扱う業務及び営業に携わる労働者においては、労働契約書特別条項を設け労使間で交わす。
・労働契約書とは別に、誓約書の署名捺印。
・お金を扱う業務を一人丸任せせず、病欠した時でも対応できる「サブの人材(副人材)」を育てる。
・一つの業務を、メイン人材(主人材)サブ人材(副人材)で組み合わせて仕事させる。
・一定規模以上の企業の場合、可能ならば一定期間で配置転換を行う。
・経営者・管理職自ら、「抜き打ち」でさりげなく仕事の状況をこまめに確認する。

以上のような対処をお勧めします。一人丸任せして、その人にしかわからない「聖域」を作らせない事が大切であると私は思います。

最近は、1つの業務2人以上で業務範囲をお互いダブらせながら仕事をさせるのが良いと私は思います。「会社側の立場」から見ると、相互監視による不正防止及び労務改善に繋がります。「労働者側の立場」から見ると、年次有給休暇においても取得しやすくなります。

今後は、不正事件を「けしからん」で終わらさせず、「今後どうしたらいいか?」を中小企業と一緒に考え改善していきたいと思います。


※写真は今日の夕食で、冷やし中華・鯛の刺身等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。








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