2017年7月25日火曜日

7月25日 ワタミの求人条件の記事から、求人採用を考える

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 
7月25日 ワタミの求人条件の記事から、求人採用を考える

7月25日火曜日。今日はワタミに関する気になる記事がありました。

※J-CASTニュースより引用

ワタミの求人条件に「死ぬぞこれ」 会社広報に真意を聞くと
 J-CASTニュース2017/7/ 6 18:27

   「確実に死ぬな」「ブラックどころか、もはやグロやん」――そんな悲鳴がネット上にあがった。リクルートの求人サイト「リクナビ」に掲載された居酒屋チェーン「ワタミ」の正社員募集広告に掲載された給与・福利厚生(待遇)のことだ。

   大学新卒の基本給が20万2100円で、その中に月間127時間分深夜みなし手当3万円が含まれ、「127時間を超えた時間外労働については追加支給」と書いている。127時間以上の残業の可能性がある、ネットで受け止められたのだ。

とんでもない待遇で新卒を募集してしまう?

   「リクナビ」に2017年7月6日に掲載されているワタミの17年度の募集要項によれば、「大学・大学院・短大・専門卒/総合職」は51~100人を採用する予定とし、初任給の基本給は20万2100円で、その基本給には、

「月間127時間分の深夜みなし手当3万円、営業手当1万円含む」
「※127時間を超えた時間外労働については追加支給
となっている。ネット上ではこの「127時間を超えた時間外労働」とは何なのか、という議論になり、

「ワタミさん、とんでもない待遇で新卒を募集してしまうwww」
とちょっとした騒動になってしまった。残業が127時間以上になることを覚悟しろとの宣言だろう、とか、127時間働いて3万円しかもらえない、などの想像が出て、

「死ぬぞこれ」
「ブラックどころか、もはやグロやん」
「まーだ懲りてないようだなあ」
「これを労基もマスコミも放置してるから日本の労働環境は改善されないんだよね」
などといったことが掲示板に書き込まれた。

   J-CASTニュース編集部が7月6日、ワタミに取材したところ、同社広報は開口一番に、

「誤解を与えるような表記になってしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
と平謝りだった。

ワタミ広報「理論上の最大値」

   ワタミ広報の説明によれば、この給与の数字は残業代とは全く関係無いが、「時間外労働」という文字を出したことが誤解の発端になってしまった、という。居酒屋勤務の場合は、16時、17時の出社があり、22時以降が深夜勤務に当たるため、月に22日間8時間勤務をした場合、月に60~70時間の深夜勤務が発生する計算になる。深夜勤務手当は1時間だけ働いても一律に3万円が支給される規定になっていて、127時間という数字は「理論上の最大値」として表示しただけなのだという。

   実は今回の新卒採用求人広告の数字について、単なる表記の間違いだと指摘する声もネット上にあったのだが、ここまで騒ぎが大きくなったのは、08年4月に入社した女性社員が月140時間以上にのぼる店舗での長時間残業の末に同年6月に自殺し訴訟となったからだ。そのイメージがまだ払拭されていないことを表わしているともいえそうだ。

※引用終わり。

今回の記事は、社労士から見ると、いわゆる誤解を与える記事だと私は思います。過労死で問題になったワタミなので、今回の記事も違法性があると思ってしまいますが、よく見ると中途半端ですが、出来る限り「合法的」な労働条件を書いているようです。

この記事を読むと、法定時間を超えた割増賃金(いわゆる残業手当)が、あらかじめ1月当たり127時間分30,000円定額で支払われるかのように勘違いしてしまいます。今回の場合は、あくまでも所定労働時間上、夜22時以降も働くのに伴う、「深夜労働」分の割増賃金をあらかじめ支払う趣旨のようです。

記事から推測するに、実際の基本給は、202,100円-深夜勤務手当30,000円-営業手当10,000円=162,100円と思われます。仮に1月当たりの平均所定労働時間を173時間とすると、1時間当たりの労働単価は、約937円(小数点四捨五入)となります。

1時間当たりの労働単価から、1時間当たりの深夜手当を計算すると、937円×0.25=234円(小数点四捨五入)となります。したがって深夜勤務手当30000円÷深夜手当1時間単価234円≒(あらかじめ支払う1月当たりの深夜労働時間127時間と言う考えのようです。

以上の点で、深夜手当の追加分がほぼ発生しない旨賃金設定をしているようです。ただ深夜手当だけ、あらかじめ一定額を支払っているに過ぎず、法定労働時間を超える残業手当は全く含んでいません。この基本給設定の場合、残業発生時には別途残業手当(時間外労働割増賃金)の支払いが必要です。

したがって、見かけは合法的であっても、実際に働いた残業時間に対する残業手当(時間外労働割増賃金)を支払っていなければ、労働基準法違反となります。あと複雑な賃金制度を設定した場合、雇い入れ時・労働条件変更時労働契約書の十分な説明、労使間での署名捺印を行う必要があります。

慢性的な人手不足が続いている現在、複雑な見せかけの労働条件・賃金制度の構築より、労使間の信頼関係の構築が出来なければ、今後の採用は厳しいと私は思うこの頃です。


※写真は昨日の夕食で、ゴーヤの回鍋肉・スズキのバジルソテー・ラタトゥイユ・味噌汁等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
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ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。









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