2017年10月25日水曜日

10月25日 電通社員過労自殺記事から、働き方改革・残業時間上限規制を考える

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 
10月25日 電通社員過労自殺記事から、働き方改革・残業時間上限規制を考える

10月25日木曜日。今日は、電通社員過労自殺に関する気になる記事がありました。

※産経新聞より引用

【電通社員過労自殺】「旧態依然の働き方」に問題意識突きつける
産経新聞2017.10.6 19:58
電通の違法残業事件は公開の法廷で審理され、司法が「違法な長時間労働常態化していた」と断じた。高度経済成長期以来、日本の企業や経済の発展を支えてきたとも言われた長時間労働。しばしば明るみに出るのは氷山の一角にすぎない。旧態依然とした風潮は払拭できるのか。事件は電通だけでなく、日本社会全体に大きな課題を突き付けている。(大竹直樹、山本浩輔)

 電通では「クライアント・ファースト(顧客最優先)」との考え方に基づき社員に過重労働という形でしわ寄せがいっていた。昭和26年に制定された電通の行動規範「鬼十則」には長時間労働や過労死を招きかねない「取り組んだら放すな、殺されても放すな」といった苛烈な文言が並ぶ。

 電通では平成3年にも入社2年目の男性社員=当時(24)=が過労自殺し、最高裁が12年に会社側の責任を認める判決を出している。これが契機となり、過労死など国の判断基準が見直されたが、電通が抜本的な対策を講じることはなく、女性新入社員の過労自殺という悲劇を招いた。「鬼十則」が見直され、社員手帳から削除されたのは、過労自殺から1年後の昨年12月だった。

 書面審理のみで罰金刑を科す略式起訴は、軽微で争いのない事件は迅速に処理すべきとの要請に基づくものだが、裁判所はあえて正式裁判を開くことを決めた。過重労働に厳しい目を向けるようになった社会の変化も考慮した判断とみられる。

 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子(えみこ)代表(68)は「社長が公開の法廷で謝罪し、社会的な責任を取らされることになった意義は大きい」と話す。

 過労死に詳しい松丸正弁護士(71)は「何より社員の命、健康が大事。社員ファーストがあってはじめてクライアント・ファーストにつながる」と指摘。「他の企業も今回の事件を教訓とすべきだ」と話す。

 政府は「働き方改革実行計画」で、残業時間の上限を明確化するなど、本気で対策に乗り出している。今後、社員に過重労働を強いる企業はブランドイメージを損ね、経営上もリスクを負うことになる。

 「過重労働を根絶することを約束する」。判決後、山本敏博社長はこう語った。全ての企業の経営者が取り組むべき誓いであるはずだ。

※引用終わり。

私自身、電通の過労死事件に関しては、非常に考えさせられました。会社側の立場の仕事が多い社労士としても、電通過労死の悲劇は、労務管理を改善する為の教訓にする必要があると実感しています。電通の場合は、過去3回過労死で従業員が亡くなり労災認定されています。

1回目は、1991年8月27日、電通に入社して2年目の男性社員(当時24歳)が、自宅で自殺し、最高裁まで争った挙句、会社から遺族に1億6800万円の賠償金を支払う旨判決が出ています。

2回目は、2013年に当時30歳で病死した男性社員が、長時間労働が原因の過労死と認め、労災認定されています。

そして記事の通り3回目は、2015年12月25日、24歳の女性従業員が社員寮から飛び降りて自殺(過労自殺)した事を労災と認め、記事の通り正式裁判労働基準法違反により罰金50万円の支払いを命じる判決を下しました。

改めて考えると、企業の初期対応のまずさと、過去の過ち・失態から学ばず、「上辺だけ」改善したふり及び法令遵守したふりを繰り返した挙句の末路であると私は思います。結果的に、この電通過労死事件以降、労働法等法改正における残業時間規制・労働時間規制が急速に進んでいると実感します。

衆議院議員選挙も終わり、近日臨時国会が開催されると思います。今後、「働き方改革」における残業時間上限規制・罰則化等法案が可決され、早ければ再来年2019年4月には施行されると思われます。

「顧客ありき」労働時間が長くならざるを得ない現状は、電通等の広告代理店業界だけでなく、飲食業・運送業・建設業・医療業界・小売業常態化しているのも事実です。今後、業界レベルで、労働時間短縮・残業時間削減を進めていくと思われます。また顧客も、営業時間等の短縮、工期や納期の見直し等考えざるを得ないと思われます。

「顧客から要求されるから出来ない」「業界的に無理だ」と言う気持ちもわかりますが、会社として「出来る所」から労働時間削減・残業時間削減すべく行動することをお薦めします。なお具体的な対処方法は、私を含む社会保険労務士にご相談して頂き、会社ごとの対処法を見つけ、実行することをお薦めします。


※写真は先日の夕食で、お好み焼き・マカロニサラダ・味噌汁等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。








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