2016年7月21日木曜日

7月21日 三六協定等の労働者過半数代表の選出方法について

福岡・久留米ぶっちゃけ社労士社労士の立場から労使間の建設的関係を目指す、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

三六協定等の労働者過半数代表の選出方法について

7月21日木曜日。今日は時間外休日労働に関する労使協定(いわゆる三六協定)について、気になる記事がありました。

※静岡新聞より引用
時間外労働で印刷会社書類送検 三島労基署
静岡新聞(2016/6/21 08:17)
 違法な形で結んだ労使協定に基づき、従業員に時間外労働を行わせたとして、三島労働基準監督署は20日、労働基準法違反の疑いで三島市の印刷業者と同社の男性総務経理課課長(43)を静岡地検沼津支部に書類送致した。送致容疑は2015年4~7月、違法な選出の仕方で選んだ労働者代表と結んだ労使協定に基づき、従業員2人に週最大約9時間の時間外労働を行わせた疑い。

 労働基準法では、労働組合がない場合、協定を結ぶ代表者を選ぶことを明らかにした上で、投票、挙手等で選出することを定めている。同社は会社側が一方的に代表者を指名していた。

 同署は13年から、同社に時間外労働を是正するように指していた。同署によると、同社は再三の指導にもかかわらず改善を行わず、違法な労使協定を結び、時間外労働を協定範囲内とする届け出をしていたという。

※引用終わり。

労働基準法第36条では、
「使用者は、事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による労使協定(通称 三六協定(サブロク協定))をし、労働基準監督署に届け出た場合、労働基準法で定める労働時間又は休日に関する規定にかかわらず、労使協定で定める通りに労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。」
という内容です。

いわゆる法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて(延長して)労働させたり、法定休日(1週間に1日の休日付与義務)に労働させること自体が労働基準法違反となりますが、三六協定を締結して労働基準監督署に届出することによって、労働基準法違反にならなくなります。

なお中小企業の場合、労働組合が無い場合が大半なので、会社は「労働者の過半数を代表する者」三六協定を締結し、労働基準監督署へ届出する義務があります。その「労働者の過半数を代表する者」の選出方法ですが、下記のようなルール(決め事)があります。

※厚生労働省リーフレットより引用
根拠条文:労働基準法施行規則第六条の二 
1 労働基準法第41条第2号に規定する管理監督者でないこと
管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。過半数代表者の選出に当たっては、管理監督者に該当する可能性のある人は避けた方がよいでしょう。

2 36協定を締結するための過半数代表者を選出することを明らかにしたうえで、投票、挙手などにより選出すること
・選出手続きは、投票、挙手の他に、労働者の話し合いや持ち回り決議などでも構いませんが、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる民主的な手続きがとられていることが必要です。また、選出に当たっては、パートやアルバイトなどを含めたすべての労働者が手続きに参加できるようにしましょう。

・会社の代表者が特定の労働者を指名するなど、使用者の意向によって過半数代表者が選出された場合、その36協定は無効です。

社員親睦会の幹事などを自動的に過半数代表者にした場合、その人は36協定を締結するために選出されたわけではありませんので、協定は無効です。この場合は、改めて36協定の締結当事者となることの信任を得てくだい。

※引用終わり。

記事については、上記のような労働基準法等違反について、労働基準監督署より再三注意・指導をしても改まらなかったため、書類送検の挙句、新聞に掲載されてしまったようです。

またトーコロ事件(最高裁平成13年6月22日第二小法廷判決)において、労働者過半数代表者の選出方法について、社内の親睦団体である「友の会」の代表者自動的に代表にスライドしたため、「労働者の過半数代表する者」と認められない為、36協定無効と判断された判決があります。

しかし、労働者過半数代表者の選出を社長等経営者が一方的に指名している事例は非常に多く見かけます。今後は、管理監督者でない労働者を投票、挙手など民主的な方法で労働者過半数代表者の選出をお願いします。



写真は今日の夕食で、冷やし中華・ラタトゥユ・トウモロコシ等野菜たっぷりでした。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士社労士の立場から労使間の建設的関係を目指す、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

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ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。
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