2018年7月9日月曜日

7月9日 マネキン(店頭販売員)における有料職業紹介と労働者供給の闇

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。
 
7月9日 マネキン(店頭販売員)における有料職業紹介と労働者供給の闇

7月9日月曜日。労働保険年度更新・社会保険算定基礎届もほぼ終了し、落ち着きました。今日は、マネキン(店頭販売員)について書きたいと思います。

マネキン(店頭販売員)とは、職業安定法施行規則によると、「専門的な商品知識及び宣伝技能を有し、店頭、展示会等において相対する顧客の購買意欲をそそり、販売の促進に資するために各種商品の説明、実演等の宣伝の業務(この業務に付随した販売の業務を含む。)を行う者」を言います。

いわゆる百貨店やデパート等における衣服・食料品等の店頭販売員を言うようです。このマネキン(店頭販売員)ですが、「マネキン紹介事業」(マネキン紹介所)と呼ばれる店頭販売員の職業紹介に特化したマネキン紹介会社が存在します。

マネキン紹介会社は、職業安定法第30条により、有料職業紹介事業許可を受けて行っている会社が多いようです。しかし最近、実務で遭遇した一部のマネキン紹介会社においては、下記のような事例もあるようです。

マネキン紹介会社より、マネキン(店頭販売員)を紹介してもらう。原則「紹介」であり、紹介された会社の直接雇用である。
・給料は直接雇用なので、紹介された会社が直接マネキン(店頭販売員)に支払い、健康保険・厚生年金保険・雇用保険等も紹介された会社がマネキン(店頭販売員)と負担する。
マネキン紹介会社は紹介するに、紹介する会社のマネキン(店頭販売員)「賃金」試算する。
紹介されたマネキン(店頭販売員)は、毎月働いている「紹介された会社」の出勤日数・労働時間・残業時間等勤怠状況マネキン紹介会社報告する。
マネキン(店頭販売員)から勤怠状況の報告を受けたマネキン紹介会社は、実際の労働時間・残業時間から算出した「賃金」より計算した、一定率の手数料毎月紹介した会社へ請求する。
手数料については、マネキン(店頭販売員)が紹介した会社を退職するまで毎月試算した「賃金」をもとにした定率の手数料請求し続ける
マネキン(店頭販売員)が紹介した会社を退職した場合、マネキン紹介会社は「違う」会社をマネキン(店頭販売員)に紹介する。

以上のような事例を、私自身、複数遭遇しました。

これは有料職業紹介事業ではなく、実態は労働者供給事業では?と私は思います。なお労働者供給事業とは、「自己が管理・統制する労働者を、他人の指揮・命令の下で就労させることを事業として行うこと。」を言います。

なお職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)では、「何人も、次条(労働組合等による無料の労働者供給事業)に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。」と定めています。

上記の事例の場合、マネキン(店頭販売員)である労働者供給元であるマネキン紹介会社との間は、雇用関係無しですが、支配的介入関係があると思います。供給先である「紹介された会社」は、マネキン(店頭販売員)である労働者指揮命令・雇用関係があると思います。


今回の事例について、福岡労働局需給調整事業課に確認したところ、「職業安定法第44条違反の可能性が高い」との見解でした。

なおマネキン(店頭販売員)に関しては、百貨店・デパート等においては必要不可欠な人材であり、マネキン紹介会社も業界では必要不可欠で、紹介してもらうのが当たり前的な状況だったりします。そんな中、「業界の当り前」として上記のような方法が一部存在しているようです。

しかし慢性的な人手不足の現在、マネキン(店頭販売員)においても、慢性的な人手不足になりつつあるのが現状です。働き方改革関連法成立した現在、雇用情勢も大きく変化していくと私は思います。ネット社会の現在、違法性を帯びた会社に関わらない働き方を選ぶ労働者が増えるのでは?と私は思います。

実際、一部のマネキン紹介会社は、マネキン(店頭販売員)を労働者派遣法遵守のうえ、派遣社員として派遣先である会社(店舗)へ働かせています。ネット社会の現在、労働者自身が直接雇用・派遣を自由に選択出来るようになりつつあります。

上記の事例のような、いわゆる「必要悪」的なマネキン紹介会社も一部存在していますが、無駄な労働トラブル・無知による法違反に巻き込まれないよう、今後は法令遵守を前提とした直接雇用、法令遵守しているマネキン紹介会社有料職業紹介又は派遣社員の活用をお薦めします。


※写真は、先日の夕食で、ししゃものみりん干・切り干し大根・高野豆腐・鶏のから揚げ・きゅうりの酢の物・味噌汁等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。







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