2019年3月28日木曜日

3月28日「退職できない」相談増と退職代行業者の記事から考える事

福岡・久留米のぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用と労務管理の町医者 吉野正人です。

3月28日  「退職できない」相談増と退職代行業者の記事から考える事

3月28日木曜日。今日は、退職代行業者に関する気になる記事がありました。

※読売新聞より引用

「退職できない」相談増…「自己都合」10年で2・5倍
2019年3月25日読売新聞
企業、人手不足で引き留め
 全国の労働基準監督署などに2017年度に寄せられた「自己都合退職」に伴う企業とのトラブル相談が、10年前の2・5倍に増加していることが、厚生労働省のまとめで分かった。人手不足が進む中、「辞めたいのに辞めさせてもらえない」というケースが急増しているとみられる。厚労省は新年度、土日や夜間も労働相談を受け付けるフリーダイヤルを新設する方針だ。

 厚労省によると、17年度の自己都合退職に伴う企業とのトラブルは3万8954件で、07年度の1万5746件から大きく増えた。17年度は相談件数全体の13%にあたり、「いじめ・嫌がらせ」に次いで2番目に多かった。右肩上がりで増えている状況で、16年度に「解雇」を上回った。相談の内容としては、「退職したくても『代わりがいない』として退職届を受け取ってもらえない」「辞めようとすると、人格を攻撃されるといった声が目立つという。

 背景には深刻な人手不足がある。東京商工リサーチによると、企業の倒産件数は10年連続で減少しているが、人手不足を理由とする倒産に限ってみると、18年は17年を22%も上回る387件で、13年の調査開始以来、最多となった。民法の規定では、退職にあたり会社側の同意は必要なく、社員が申し入れるだけでよい。しかし実際には、会社からの慰留や理由の聞き取りが発生し、引き留めたい企業側と、退職希望者との間でトラブルが起きやすい状況となっている。

 こうした事態を受け、厚労省は今年6月をめどに、労働相談専用のフリーダイヤルを新設する。働く人たちが相談しやすいよう、平日だけでなく夜間や週末も受け付け、内容に応じて各地の労働局が企業を指導したり、労使の話し合いの場を設けたりすることを想定している。

「代行」サービス 続々と…利用者「辞められ、ほっと」/企業「業務引き継げない」
 退職に伴うトラブルが増える中、本人に代わって会社に退職の意思を伝える「退職代行」を手がける業者が次々と登場している。

 「スムーズに辞められて、ほっとしている」
 退職代行業者「EXIT(イグジット)」(東京)を利用し、昨年末に大手メーカーを辞めた東京都内の男性(25)はこう振り返った。大学卒業後の昨年4月に入社した男性は、上司から「使えない」などの暴言を繰り返し受けたといい、日曜日に無料通話アプリ「ライン」でEXITに依頼。すると、月曜の朝にはEXITが会社に「辞めます」と伝えた。男性は退職届を郵送しただけで、出社も会社への電話もせずに済んだという。利用料は5万円。男性は「退職を申し出て責められるしんどさを考えれば、高くはない」と話した。

 EXITは2017年5月にサービスを始め、今年2月までに約2600件の退職代行を手がけた。岡崎雄一郎共同代表は「最近の若者はまじめで繊細。思い詰めて連絡してくる人が想像以上に多かった」と語る。同様の業者は現在、約30社に上っている。ただ、弁護士法は、弁護士以外が法律事務を扱うこと(非弁行為)を禁じており、会社から研修費の返還などを請求された場合、退職代行業者は代理人として対応できない。就職支援会社「ウズウズ」(東京)は昨秋に退職代行業を始めたものの、同法への抵触を懸念して2か月で中止した。

 一方、企業側は戸惑いを隠せない様子だ。関東地方の建設会社は昨年、退職代行業者から電話で突然、若手社員の退職を告げられた。社員はその日から欠勤し、退職届が送られてきた。読売新聞の取材に対し、この建設会社の役員は退職理由も聞けないままでは会社のどこが悪かったのか分からないし、業務の引き継ぎもできない」と話す。

 慶応大の山本勲教授(労働経済学)は「本来は労使が話し合い、納得したうえで退職するのが望ましい。企業は、社員が退職などの重要テーマも含めて相談しやすい環境を整える努力が必要だ」と指摘している。

※引用終わり。

いわゆる問題がある一部のブラック企業と言われる会社は、退職の意思表示をすると、引き留める事例が多かったりします。ブラック企業に限らず、人手不足の現在、退職届後の引き留めは、増えているのではないか?と私は推測します。

なお私の過去の実務経験上、退職届を中間管理職が受け取りながら、もみ消す等の場合も多かったりします。退職届を出しても、「認めない」と言う対処をする会社までいるようです。個人的には、記事の通り「弁護士法」の問題もあり、退職代行ビジネス業者利用は、お勧めしません。

民法では、下記のとおり定められています。

民法627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ) 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。

従って記事のようなトラブルを防ぐための対処法は、

1 書いた退職届をコピーする。なお退職届は、就業規則で定められた○○日前(例 30日前)に退職届(原本)の届出をお薦めします。退職届コピーは、本人保管でお願いします。

2 直属の上司及び社長等が受け取らない、ウヤムヤにする等の場合、簡易書留・配達記録郵便等で、社長・人事部長等人事権がある人へ退職届原本を郵送する。退職届コピーは、本人保管でお願いします。

3 退職日以降は、出勤しない。

のような対応法をお薦めします。

ただし契約社員期間の定めがあるパートタイマー等の有期雇用契約については、民法628条により、原則として契約期間中は労働契約は解約できず「やむを得ない事由」がある場合にのみ、ただちに解約できるとされているので、注意が必要です。

トラブルが発生してしまった時は、最寄りの労働基準監督署総合労働相談コーナー社会保険労務士会無料労働相談窓口等へ相談願いますm(__)m。

なお中小企業の経営者においては、信頼関係が構築されているならば、退職代行ビジネス業者を利用することはないと思います。信頼関係が崩壊しているから、退職代行サービス等を利用するんだと思います。突然「退職届」を提出されて、しかも退職代行サービス等利用されて引継ぎもできずに戦力を失わないよう、日常の信頼関係構築をして頂ければ幸いです。


※写真は先日の夕食で、鉄火丼等です。

以上、福岡・久留米ぶっちゃけ社労士(主に会社側の視点で、労使間の建設的な信頼関係構築を目指し、企業の継続・繁栄のお手伝いをする、ぶっちゃけた相談ができる社労士)こと採用・労務管理・労働トラブル対応の町医者 吉野でした。

※お問い合わせや相談したい時は、いつでも下記へ連絡願います。 福岡 久留米 採用と労務管理、労働トラブル対応の町医者 社会保険労務士 吉野正人 移動オフィス 090-2852-9529 (すぐつながります。)
メールアドレス naitya2000@gmail.com

ただし労働者側の相談も可能ですが、当事務所は会社側の相談が得意ですので、ご了承願います。 なお労働者の相談は、下記リンクの社会保険労務士をオススメします。









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